寒くなる前に!冬の心臓トラブルを防ぐには
気温が下がり始める11月。寒さで体が縮こまり、活動量が減るこの季節は、心臓に負担がかかりやすくなる時期です。特に高血圧・心疾患をお持ちの方にとっては、心筋梗塞や狭心症などの循環器トラブルが起きやすくなるため注意が必要です。
💥 寒さが心臓に与える影響
- 気温が低下すると血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります
- 血圧の急上昇は、心筋梗塞や脳卒中などのリスク因子になります
- 特に朝晩の冷え込みや、暖かい室内から急に寒い場所に出るときに要注意です
- 冷たいものより温かいものは塩味を感じにくくなり、塩分摂取量が多くなりがちです
🚿 冬に増える“ヒートショック”とは?
「ヒートショック」とは、急激な温度差によって血圧や心拍が大きく変動し、心筋梗塞や脳出血などを引き起こす現象のことです。特に以下のような場面が危険とされています:
- 冬場の冷えた脱衣所で服を脱ぐとき
- 熱いお風呂に急に入ったとき
- 起床直後に冷えたトイレへ行くとき
ご高齢の方や循環器疾患をお持ちの方では、命に関わることもあります。寒い時期の露天風呂などは特に注意が必要です。
🏠 家庭でできる温度管理と生活の工夫
◎ 部屋ごとの温度差を減らす工夫
- 脱衣所やトイレにも暖房器具を設置する(安全に配慮)
- エアコンやヒーターはタイマーを活用して、起床前に部屋を温めておく
- 寝具には湯たんぽや電気毛布を活用し、血圧の急上昇を防ぐ
◎ 冬の入浴で気をつけたいポイント
- 脱衣所と浴室をあらかじめ温めておく(浴室暖房やシャワーで蒸気を溜める)
- お湯の温度は38~40℃程度が目安
- 入浴前後にはコップ1杯の水分補給を
- 長湯せず、10分程度までにとどめましょう
📌 冬の心臓トラブルを防ぐための生活チェック
✅ 朝起きるときは、すぐに起き上がらず布団の中でゆっくり体を起こしていますか?
✅ 起床前に部屋を温めるようにしていますか?
✅ 脱衣所やトイレの寒さ対策をしていますか?
✅ 入浴中や直後に動悸・息切れを感じたことはありませんか?
✅ 寒さの中でも、軽い運動や散歩を継続していますか?
→ 1つでも気になる項目があれば、ぜひ今のうちに対策を始めましょう。
寒さは避けられませんが、ちょっとした工夫で心臓への負担を大きく減らすことができます。
冬が本格化する前に、ご自宅の環境や生活習慣を見直してみませんか?
気になる症状やご不安があれば、いつでもご相談ください。
島松循環器内科クリニック 下園弘達